ゼネコンの採用責任者が答えます。
日々学生の方とお話していると、
「文系でも就職できますか?」と質問されることがあります。
企業によっては応募要件に建築学科卒業などと記載されている場合もありますが、弊社では学部の制限は設けておらず、文系の方でもバリバリ活躍していますよ!
ここでは、文系採用の現状や、文系が活躍できるお仕事内容、実際に活躍している先輩社員のインタビューなどを紹介しますね。
三和建設
採用責任者:森本さん
国内のゼネコン35社の採用実績から、ゼネコンの採用トレンドを分析してみましょう。
2024年度の採用実績から文系・理系の比率を算出したところ、文系(事務職)の割合は平均17.3%となりました。
売上高が1兆円を超えるスーパーゼネコンなどのトップ企業はおおむね15%程度ですが、人気の大手ほど技術職を選べる立場にもあるため、文系にとってはかなり難易度が高いと考えられます。
日刊建設工業新聞社が主要ゼネコン35社に実施した人材採用アンケートのデータを基に、編集チームが2024年度採用人数の内訳を算出。
売上高は、各社の公式サイトや有価証券報告書から2023年3月期の連結売上高を調査・集計しています。
▼左右にスクロールできます。
No. | 企業名 | 文系(事務職) 採用比率 |
売上高 |
---|---|---|---|
1 | 長谷工コーポレーション | 34.6% | 1兆272億円 |
2 | 大本組 | 32.1% | 945億円 |
3 | 高松コンストラクショングループ | 25.7% | 2,825億円 |
4 | 戸田建設 | 24.4% | 5,472億円 |
5 | 鉄建建設 | 24.4% | 1,607億円 |
6 | 松井建設 | 22.7% | 887億円 |
7 | ナカノフドー建設 | 22.6% | 1,145億円 |
8 | 日本国土開発 | 22.0% | 1,542億円 |
9 | 青木あすなろ建設 | 21.9% | 781億円 |
10 | 鴻池組 | 19.3% | 2,673億円 |
11 | 熊谷組 | 18.6% | 4,035億円 |
12 | 五洋建設 | 17.9% | 5,022億円 |
13 | 竹中工務店 | 17.8% | 1兆3,754億円 |
14 | 清水建設 | 17.2% | 1兆9,338億円 |
15 | ピーエス三菱 | 17.1% | 1,093億円 |
16 | 佐藤工業 | 16.9% | 1,467億円 |
17 | 鹿島建設 | 16.7% | 2兆3,915億円 |
18 | 東急建設 | 16.7% | 2,857億円 |
19 | 大成建設 | 15.9% | 1兆6,427億円 |
20 | 飛島建設 | 15.8% | 1,259億円 |
21 | 安藤ハザマ | 14.9% | 3,721億円 |
22 | 奥村組 | 14.9% | 2,494億円 |
23 | 大林組 | 14.4% | 1兆9,838億円 |
24 | 淺沼組 | 14.3% | 1,444億円 |
25 | 大豊建設 | 14.0% | 1,561億円 |
26 | 若築建設 | 13.8% | 840億円 |
27 | 三井住友建設 | 13.5% | 4,586億円 |
28 | 前田道路 | 13.4% | 2,346億円 |
29 | 西松建設 | 13.0% | 3,398億円 |
30 | フジタ | 11.7% | 5,808億円 |
31 | 東亜建設工業 | 11.3% | 2,136億円 |
32 | 東洋建設 | 10.0% | 1,684億円 |
33 | 竹中土木 | 10.0% | 877億円 |
34 | 東鉄工業 | 8.6% | 1,247億円 |
35 | 大日本土木 | 6.5% | 819億円 |
建設の要でもある「設計業務」を担当するため、建築学部や工学部などが多く採用される傾向にあるのは事実。
しかし中には文系を30%以上も採用している企業もあります。
また、ここに掲載している会社はほんの一部であり、慢性的な人手不足が課題の中小ゼネコンでは、さらに多くの道が拓かれていると推測できます。
業界の採用事情として覚えておきたいのは、年々深刻化を増す人材不足の影響です。
2020年5月時点で人手不足と回答した建設業の企業は47.4%だったのに対し、2023年1月時点では69.2%にまで上昇(1.46倍)※1。
「2024年問題」によって労働力不足が懸念される中、人手不足はますます深刻化していくと考えられます。
また、2023年3月卒の大卒求人倍率を見てみると、全業界の求人倍率1.58倍に対して、建設業の求人倍率はなんと7.70倍※2。
中小企業では特に採用難に悩まされているのが現状です。
建設は「経験工学」
だからこそ
チャンスが広がる
建設業界は“経験工学”とも言われ、入ってからの経験値がモノを言う業界です。
近年は理系にこだわって採用するのではなく、文系を積極的に採用して自社で教育しようという動きも。
「文系だからできない」なんてことは何一つありませんよ!
三和建設
採用責任者:森本さん
文系卒が活躍しているキャリアの一例をご紹介します。
企業によって部署名は異なりますが、様々な職種が互いに協力し合っています。
お客様のニーズを見極め、市場動向を分析し、企画や提案を行ないます。
建設業は出来上がったモノを売る仕事ではないからこそ、イメージを具体化するための準備や計画が重要。
コンサルティングや完成後のフォローも行ないます。
現場の責任者として安全・品質・工程・原価の4大管理を行います。
様々な職種や属性の人たちと協力してプロジェクトを進めるために、コミュニケーション力やマネジメント力を活かして引っ張っていくリーダーです。
設計から施工の間に必要な準備を担っている、縁の下の力持ち的な職種です。
設計図や仕様書から必要な材料や機材・それにかかる費用を算出し、手配します。
どこからどれだけ仕入れるかは、会社の利益率を左右する重要な役割でもあります。
部署として独立している場合や、他の部署のなかに担当が存在している場合もあります。
不動産開発や都市開発など、土地の利活用を計画するお仕事です。
建設の上流工程から関わることができるのもゼネコンのやりがいのひとつ。
企業によっては営業部が兼ねていることも。
建築学部や工学部の知識が活きる「設計職」や、技術開発や研究部門を持っている会社であれば「研究職」としての道も拓かれます。
しかし、あくまで土台があるぶん早くその道に携われるというだけであり、文系出身だから設計職になれないといったことはありません。
入社して実際の現場に触れていくうちに、「いつか自分も図面を描きたい」とチャレンジする先輩たちも多くいます。
結論、
学部は関係ありません!
経験の蓄積と継承によって機能性・安全性・利便性を高めていく経験工学の業界では、どんな人でも現場での下積みを経て成長していきます。
つまりスタートラインはほぼ一緒。
飛び込んでから本人の努力次第でどんなキャリアも描くことができるのが、建設業の大きな特徴でもあるんです。
三和建設
採用責任者:森本さん
様々な職種の中でも、文系が多く活躍しているのは「営業」や「施工管理」です。
どちらも様々な人と密接に関わり合いながら、計画的に物事を推進していく力が求められます。
学生のうちからこれらの能力について意識しておくとよいでしょう。
建設業はひとりの力で完結する仕事は無く、周囲と協力して何かを進めていくことがほとんど。
人と話すのが好き・気遣いができる・調整役に回れるといった性格は、営業や施工管理のお仕事に活かせることも多いでしょう。
特に現場では、自分と歳が離れている職人気質の性格の方もいます。
それぞれの立場を考慮して上手に連携が取れる人は、どの現場でも重宝されるはずです。
逆に、どんなに優秀な学生でもコミュニケーションを取るのが苦手だと、苦労する場面が多いかもしれません。
建設工事は最初に緻密な計画を立ててから始まり、工期中はスケジュール管理だけでなく、安全管理の徹底や、各作業ごとの状況を細かく把握しておくことも必要です。
多くの会社や人が関わる仕事だからこそ、各方面に目を配り、適切な管理と指導ができる人が求められます。
普段から計画的に物事を進められる性格や、複数のケースを想定してすぐに代替案に切り替えられる気転の良さなども活躍できる素質のひとつと言えるかもしれません。
緻密な計画を立てても、その通り進行するとは限りません。
途中で起こる様々なトラブルやアクシデントにも柔軟に対応し、成功に導く力も問われます。
建物が完成するまでには長い月日がかかります。
ピンチの状況でも途中で投げ出さず、完成まで根気強く向き合う気力(やり抜く力)が必要なときもあります。
可能性は無限大!
キャリアは本人の
成長次第
現場で活躍する仕事がしたい!という方も大歓迎。
大切なのは「どこの学部を出たか」ではなく「どう学んでいくか」です。
そういう意味では、働く会社の教育体制や方針の方がむしろ重要だと考えます。
例えば弊社では、“社内大学”と銘打って入社後に基礎から学べる環境も用意しています。
三和建設
採用責任者:森本さん
数億を動かす女性営業マン!
働き方ややりがいを聞いてみた
新卒からゼネコンの営業職で働く、三和建設社員の杉原さん。
2018年入社の杉原さんは、現在お客様から信頼される営業マンとして、数億規模の案件を複数担当しているのだとか。
そんな杉原さんの働き方ややりがいについて、インタビューしました。
ーーー杉原さんは文系学部出身かと思いますが、入社後大変だったことはありますか?
文系・理系についてはあまり気にならなかったです。理系出身の方や建築学部出身の方は多くいらっしゃいましたが、実務経験は全員ゼロからのスタートです。なので、「自分は文系だからもっと頑張らないと」といった感覚は特にありませんでした。
質問をすれば誰もが教えてくれる環境なので、分からないことをとにかく聞き、とにかく覚えるの繰り返しです!
ーーー新卒時代はどのようにノウハウを学んだのですか?
1年目は、新卒全員施工管理職に配属され、現場のノウハウを学びました。その後営業に配属されましたが、最初は先輩にとにかくついていって、わからないながらも議事録を書いてみたり。でも議事録の内容がそもそも分からず、用語をひたすら調べることを繰り返していました。
建築はプロジェクトの期間が長いので、配属されたタイミングによって経験できることが違います。特にコロナの影響で工事がストップしてしまったときなどは、そのときOJT中だった後輩はついていく現場が減ってしまったりなど…。だからこそ、絶対チャンスを逃さないという気持ちでついていきましたね。
ーーー今はお一人で案件を担当されているのですか?
去年から案件を一人で任せて頂いたりと、一人で任せてもらえる範囲が広くなり、今とてもやりがいにつながっています。金額の話など、少し話しづらい内容は上司から話してもらっていたのですが、今は全て任せてもらい、金額の交渉から契約まで全て自分で担当しています。
特に1人でやってこいと言われたわけではないですが、徐々に上司の手が離れていって、ちょっとずつ認めてもらえたのかなと感じています。
食品工場・物流倉庫といった設計/施工難易度の高い建造物を得意としている三和建設。
1947年の創業より75年以上にわたって社会基盤を造り続けてきました。
そんな三和建設が掲げるコンセプトは「つくるひとをつくる」。
ただ建物を造るだけでなく、お客様との信頼を築き、歴史を創る人材育成に力を入れています。
など、社員ひとりひとりに真っすぐ向き合う仕組みが整っています。
もちろん文系も積極採用中!
ゼネコンへの就職に自信が湧いてきた方は是非、三和建設へのエントリーも検討してみてください。
採用担当:
杉井さん・森本さん